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親から実家を相続したものの、誰も住まず、片付けも処分も手つかず。固定資産税の通知だけが毎年届く。そんな「持て余す実家」を前に、何から手をつければいいのか分からない。これは、かつての私自身の状況でもあります。
私は最終的に、実家を「アルバリンク」という訳あり物件の買取業者に買い取ってもらいました。手放せたこと自体は良かったのですが、複数の会社から見積もりを取らずに決めてしまい、提示された価格が本当に適正だったのか、いまも確かめられずにいます。だからこそ、これから動くあなたには「焦って1社で決めない」ことを、入口でお伝えしておきたいのです。
この記事でわかること。空き家を放置したときに起きるリスク、処分の選択肢が大きく5つあること、そして「まず何から始めればいいか」。全体像をつかんだうえで、気になるテーマは詳しい記事へ進めるように作りました。
空き家を放置するとどうなる?

「とりあえずそのままにしておく」が、いちばん危ない選択になりかねません。空き家の放置で起こりうる主なリスクを、3つにしぼってお伝えします。
1. 固定資産税が上がるおそれがある

💡 身近な例で言えば、コンビニの「会員割引」が突然廃止されて定価に戻るようなものです。住宅が建っている土地には固定資産税の大幅な優遇(最大6分の1軽減)が適用されていますが、空き家が「特定空家」と認定されると、その割引が外れ、税額が大きく跳ね上がることがあります。
2023年12月に施行された改正空家対策特別措置法では、放置すれば危険になりうる空き家を「特定空家等」、その手前の段階を「管理不全空家等」と定めています(出典:国土交通省)。市区町村から「勧告」を受けると、土地にかかっていた住宅用地特例(住宅が建つ土地の固定資産税を軽くする仕組み)が外れます。
この特例が外れると、土地の固定資産税は最大で約6倍になり得ます。ただし負担調整などの緩和措置が働くため、実際には3〜4倍程度に収まることが多いとされています(出典:国土交通省、東京都主税局)。いずれにせよ、放置しているだけで負担が膨らむ可能性がある、ということです。
2. 過料(行政罰)の対象になることがある

💡 身近な例で言えば、駐車違反の「反則金」に似たイメージです。刑事事件になるわけではありませんが、行政から一方的に徴収が求められます。「罰金じゃないから大丈夫」と軽く見ていると、最終的に強制執行になることもあります。
勧告のあとに「命令」が出され、それにも従わないと、50万円以下の過料の対象になります(出典:国土交通省)。過料は行政上のペナルティで、前科がつく「罰金(刑事罰)」とは別のものです。とはいえ金銭の負担であることに変わりはありません。
3. 相続登記をしないと過料の対象になり得る

💡 身近な例で言えば、中古車を親から相続したまま名義変更せずに乗り続けているイメージです。書類の上では「前の持ち主のもの」のままで、2024年4月から不動産でも相続登記が義務化され、3年以内に手続きしないと最大10万円の過料対象となります。
2024年4月から相続登記が義務になりました。不動産を相続したと知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象になります。過去の相続も対象で、こちらは2027年3月31日が一つの期限です(出典:法務省)。なお、3年を過ぎたら自動で過料、ではなく、催告などを経たうえでの判断になります。
放置リスクは、ここで挙げた3つ以外にも、老朽化による倒壊・近隣トラブルなど多岐にわたります。詳しい仕組みと「いつ・何が起きるか」の順番は、こちらの記事で整理しています。
→空き家を放置するとどうなる?
空き家の処分は大きく5つ

では、どう手放すか。空き家の出口は、大きく分けて次の5つです。それぞれ一言でメリット・デメリットを押さえておきましょう。
- 仲介で売却……市場の相場で売れる可能性がある一方、買い手が見つかるまで数か月以上かかることもあります。
- 買取で売却……業者が直接買うため数日〜約1か月で現金化でき、内覧も不要。ただし価格は相場より下がる傾向があります。
- 賃貸に出す……家賃収入を得ながら資産を残せますが、空室リスクや修繕費・管理の手間がかかります。
- 解体して更地で売る……買い手がつきやすくなる場合がある反面、解体費が先に出ていき、更地化で土地の税負担が上がる点に注意が必要です。
- 相続放棄……空き家を引き継がずに済みますが、預貯金などプラスの財産も含めてすべて手放すことになり、一部だけの放棄はできません。
注意したいのは相続放棄です。放棄しても、放棄の時点でその空き家を現に占有していた場合は、次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで管理(保存)義務が残り得ます(2023年4月施行の改正民法940条。出典:弁護士法人たちばな総合法律事務所)。
「放棄すれば一切関係なくなる」わけではない、という点は覚えておいてください。
5つの方法を費用・期間・向き不向きで一覧比較した内容は、こちらにまとめています。
→空き家の処分方法5つを比較
訳あり・古い・遠方なら「買取」という出口も

🏠 訳あり・遠方・事故物件の買取に強い業者を比較
- 訳あり物件買取センター(一都三県・LIXIL加盟店)
- ラクウル(全国対応・遠方の相続空き家に強い)
- ワケガイ(共有持分・権利トラブルに強い)
- 成仏不動産(事故物件専門)
💡 身近な例で言えば、フリマアプリ(仲介)か買取専門店(業者買取)かの違いに似ています。フリマは高値を狙えますが売れるまで時間がかかり、買取専門店はすぐ現金化できる代わりに値段は控えめです。築古・遠方・訳あり物件は「フリマでは売れない」ケースが多く、買取が現実的な出口になります。
ただ、実家の空き家は、築年数が古い・遠方にあって通えない・再建築ができないといった事情を抱えていることが少なくありません。こうした物件は一般の市場では買い手がつきにくく、仲介では長く売れ残ってしまうことがあります。
買取は業者が直接買い主になるため、内覧の対応がいらず、現金化が早いのが特長です。仲介手数料もかからず、契約のあとに欠陥が見つかったときの責任(契約不適合責任)が免責されることが一般的で、売り主のリスクが下がります。
代わりに、価格は市場相場のおおむね7〜8割が目安とされます(物件の状態によって幅があり、訳あり・築古では5割程度まで下がる例もあります。出典:HOME4U)。
「高さ」より「早さ・確実さ・手離れの良さ」を優先したい人に向いた方法、と捉えるとよいでしょう。仲介と買取をどう使い分けるかは、こちらで詳しく比べています。
→仲介と買取の違い
【コラム】私の失敗談|1社で決めてしまった後悔

📖 運営者の実体験:築40年超の実家を相続してから処分するまでの全記録【体験談】
冒頭でも触れたとおり、私は相続した実家を、訳あり物件の買取業者である「アルバリンク」に買い取ってもらいました。
長く持て余していた家をようやく手放せて、肩の荷が下りたのは確かです。担当の対応にも不満はありませんでした。
それは、ほかの会社に見積もりを頼まず、1社だけで決めてしまったことです。提示された金額にその場では納得したのですが、比べる相手がいなかったため、その価格が適正だったのかを、いまも確かめられずにいます。
安く手放してしまったのかもしれないし、妥当だったのかもしれない。それが分からないこと自体が、心残りなのです。
だから、これから動くあなたには同じ後悔をしてほしくありません。買取査定は多くの業者で無料です。申し込んだからといって売らなければならないわけでもありません。
手間は増えますが、最低でも複数社、できれば3社ほどの無料査定を取って見比べてから決める。それだけで「あのとき比べておけば」という後悔は避けられます。
信頼できる業者の選び方と4社比較

複数社で比べるとなると、
買取業者を選ぶときは、宅地建物取引業の免許番号や行政処分歴を国土交通省のサイトで確認できること、査定額の根拠をきちんと説明してくれること、契約後に一方的な減額を迫らないことなどが、見極めのポイントになります。
相場を無視した高すぎる査定で即決を迫る業者には注意が必要です。こうしたチェックの手順と、主要な買取業者4社を比較した内容は、別の記事でまとめています。
→失敗しない買取業者の選び方
📖 次に読むべき関連記事
まとめ|まず何から始めればいい?

実家の空き家は、放置しているだけで固定資産税や過料のリスクが膨らみかねません。一方で、処分の出口は仲介・買取・賃貸・解体・相続放棄と5つあり、物件の状態や事情によって最適な選び方は変わります。
- 焦らず情報収集して全体像をつかむ
- 自分の物件がどの出口に向くか当たりをつける
- 売却・買取を考えるなら無料査定を複数社で取って比べる
という流れがおすすめです。特に最後の「比べる」を飛ばさないこと。これは、1社で決めて後悔した私からの、いちばんお伝えしたいことです。
気になるテーマから、詳しい記事へ進んでみてください。放置のリスクを深く知りたいなら空き家を放置するとどうなる?、出口を比べたいなら空き家の処分方法5つを比較が入口になります。



