仲介と買取の違い相続した実家の空き家を売ろうと調べると、「仲介」と「買取」という2つの方法に行き当たります。どちらを選ぶかで、売れるまでの期間も手取りの金額も大きく変わります。
できるだけ高く売りたい
時間に余裕がある
早く確実に手放したい
市場で売りにくい物件
とくに再建築不可や事故物件などの「訳あり物件」は、仲介ではなかなか買い手がつかず、専門の買取業者が現実的な出口になることが少なくありません。
この記事では、仲介と買取の違いを価格・期間・手数料・売主のリスクの面から整理し、どんな物件で買取が出口になるのかを具体的に解説します。
仲介と買取の違いをひと目で比較

まずは全体像です。
仲介は不動産会社に依頼して市場で買い手(多くは一般の個人)を探してもらう方法、買取は不動産会社(買取業者)が自分で直接買い主になる方法です。
| 項目 | 買取 | 仲介 |
| 価格 | 市場価格のおおむね7〜8割が目安 (物件状態により幅あり) |
市場価格(相場)で売れる可能性 |
| 期間 | 数日〜約1か月 | 3〜6か月 (売れ残れば年単位も) |
| 仲介手数料 | 不要 (業者が直接買うため) |
必要 (上限=売却価格×3%+6万円・税別) |
| 内覧 | 不要 | 必要 |
| 契約不適合責任 | 免責されることが一般的 (売主のリスクが低い) |
売主が負う可能性がある |
出典:HOME4U(仲介と買取の違い)、おうちネット(仲介手数料)。
※契約不適合責任
売った不動産に契約内容と違う欠陥(雨漏り・シロアリなど)が後から見つかったとき、売主が修補や損害賠償などの責任を負う仕組みのことです。
価格:買取は相場の7〜8割が一般的な目安


買取価格は、仲介で売れる市場価格のおおむね7〜8割が一般的な目安とされています。たとえば市場価格3,000万円の物件なら、買取では2,400万円程度になる、というイメージです。
これはあくまで目安で、物件の状態によって幅があります。空き家や訳あり物件では5割程度まで下がる例も挙げられており、「7〜8割」はすべての物件に当てはまる固定の数字ではありません(出典:HOME4U、イエコン)。
※なぜ市場価格より安くなるのでしょうか?
買取業者は、買い取った物件をリフォーム・リノベーションして再販することで利益を得ています。そのため、
- リフォーム費用
- 広告宣伝費などの諸経費
- 転売による利益
上記をあらかじめ見込んで、再販後の価格から逆算して買取額を決めます。この「差し引かれる分」が、相場との差になります。
と不安になるかもしれませんが、その代わりに仲介手数料や片付け・修繕の手間がかからず、売却後のリスクも抑えられます。価格だけでなく、こうした総合的な負担で比べることが大切です。
期間:買取は数日〜1か月、仲介は3〜6か月が目安


買取は、市場で買い主を探す必要がなく、提示された査定額に納得すればすぐ手続きに進めます。そのため、現金化までは数日〜約1か月が目安です。
一方、仲介は買い主探し・内覧対応・価格交渉が必要で、売却までおおむね3〜6か月かかります。需要の低い物件だと、1年以上売れ残ることも珍しくありません(出典:HOME4U)。
「いつまでに現金が必要か」「内覧のたびに遠方の実家へ通えるか」も、選び方の分かれ目になります。固定資産税や管理の負担が続くことを考えると、早く手放せること自体に価値を感じる方も多いはずです。
仲介手数料と内覧:買取はどちらも不要

仲介で売る場合、不動産会社に仲介手数料を支払います。
法律で定められた上限は「売却価格×3%+6万円(税別)」で、たとえば3,000万円で売れた場合は約96万円になります。
(出典:おうちネット)。
買取の場合は、業者が直接買い主になるため仲介手数料はかかりません。また、買い手に家を見せる「内覧」も不要です。遠方の実家を売る場合、内覧のたびに片付けや立ち会いをする負担がないのは、見えにくいけれど大きなメリットです。
契約不適合責任:買取なら免責が一般的で売主のリスクが下がる

見落とされがちですが、空き家の売却で重要なのが「契約不適合責任」です。
買取では契約不適合責任が免責されることが一般的です。プロである業者が現況を承知のうえで買い取るためで、売主にとっては「売った後に責任を問われる不安」を抱えずに済みます(出典:HOME4U)。古い実家を相続して中の状態がよく分からない、という方ほど、この安心感は見逃せません。
仲介で個人に売ると、引き渡し後に雨漏りやシロアリ、給排水管の不具合などが見つかった場合、売主が修補費用や損害賠償を求められる可能性があります。築古の空き家は、こうした隠れた不具合を抱えていることが少なくありません。
どちらが向いている?ケース別の選び方


立地がよく、まだ人が住める状態の家なら、まず仲介で高値を狙う価値があります。逆に、後ほど説明する「訳あり物件」に当てはまる場合は、仲介では買い手が見つかりにくく、買取が現実的な出口になります。
空き家の処分方法は仲介・買取だけではありません。賃貸・解体・相続放棄なども含めた選択肢全体は、処分方法の全体比較で確認できます。
「訳あり物件」が仲介で売りにくく、買取が出口になる理由

📖 運営者の実体験:仲介(空き家バンク)で2年売れなかった実家を手放した全記録【体験談】

一般の市場(仲介)で敬遠されやすい「訳あり物件」には、いくつかの代表的なタイプがあります。なぜ仲介で売りにくいのか、そしてなぜ専門の買取業者なら買えるのかを見ていきましょう。
仲介で敬遠されやすい主な物件タイプ


- 再建築不可:接道義務(幅員4m以上の道に2m以上接していること)を満たさず、建て替えができない物件。住宅ローンがほぼ使えず、買い手が極端に絞られます。
- 借地権・底地:土地を借りて建物だけを持つ「借地権」や、借地人に貸している土地「底地」。金融機関の評価が分かれ、権利関係が複雑で一般の買い手に敬遠されやすい類型です。
- 事故物件(心理的瑕疵):自殺や事件などにより心理的に敬遠される物件。買い手への告知義務があり、特殊清掃費や再販リスクから値下がりしやすくなります。
- 共有持分:兄弟などとの共有名義で、自分の持分だけでは自由に使えない不動産。一般の買い手がつきにくい状態です。
- ゴミ屋敷・残置物の多い家/築古・物理的瑕疵:そのままでは住めず、片付けや修繕のコスト、耐震性への不安から敬遠されます。
※心理的瑕疵(かし)=過去の事故や事件などにより、その物件に心理的な抵抗感が生じる事情のこと。物理的瑕疵=雨漏り・シロアリ・腐朽など、建物そのものの不具合のことです。
これらの物件は、一般の買い手が「住宅ローンを組めない」「住むイメージが持てない」「片付け・修繕の負担が大きい」と感じるため、仲介ではなかなか成約に至りません。値段を大きく下げても売れ残るケースが目立ちます(出典:ワケガイ(訳あり物件とは))。
専門の買取業者なら買える理由


では、なぜ専門の買取業者はこうした物件を買い取れるのでしょうか。理由は大きく3つあります。
立地が悪く築古の空き家でも、自社で再生して再販する仕組みやノウハウを持っています。
リフォーム業者や投資家との連携があり、再生コストを抑えながら買い取れます。再建築不可や共有持分なども専門的に処理できます。
片付けや修繕をせず「現況のまま」買い取れます。自己資金で買うため、買い手の住宅ローン審査を待つ必要もありません。
出典:AlbaLink(空き家の処分方法)、ワケガイ(訳あり物件とは)。
だからこそ「他社に断られた」「仲介で何年も売れない」という訳あり物件でも、専門買取が出口になり得るのです。
📖 あわせて読みたい
まとめ|物件の状態で選び分け、買取は複数社で比較を


仲介と買取は、どちらが優れているという話ではなく、物件の状態と自分の事情によって向き不向きが分かれます。立地がよく市場需要のある家は仲介で高値を狙い、市場で売りにくい訳あり物件は専門買取を検討する、という選び分けが基本です。
- 価格:買取は相場の7〜8割が目安(物件により幅あり)/仲介は相場で売れる可能性
- 期間:買取は数日〜1か月/仲介は3〜6か月以上
- 買取は仲介手数料・内覧が不要で、契約不適合責任も免責が一般的
- 再建築不可・事故物件・共有持分などの訳あり物件は、専門買取が現実的な出口
買取価格は業者によって差が出るため、信頼できる業者を見分けたうえで、複数社で査定を比べることが後悔しないコツです。具体的な見分け方と、訳あり物件に強い4社の比較は、信頼できる買取業者の選び方と4社比較で詳しく解説しています。





