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空き家の相続放棄はできる?3か月の期限・管理義務が残るケース・放棄以外の選択肢を解説

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「実家を相続しても住む予定がない。売れそうにもない。いっそ相続放棄したい」——処分に困る空き家を前に、相続放棄を考える方は少なくありません。ただし相続放棄には原則3か月という期限があり、「空き家だけを放棄する」ことはできず、さらに放棄しても管理義務が残るケースがあるなど、知らないと後悔するポイントがいくつもあります。

この記事では、相続放棄の基本・期限・改正民法940条による管理(保存)義務・放棄以外の選択肢を、図解を交えて解説します。

相続放棄の基本:期限は「知った時から3か月」

相続放棄は、家庭裁判所への申述によって行います。口頭で「いらない」と言ったり、相続人同士の話し合いで「自分は受け取らない」と決めたりしただけでは、法律上の相続放棄にはなりません。

熟慮期間は「自己のために相続の開始があったことを知った時かり3か月以内」です。財産調査に時間がかかる場合は、家庭裁判所に期間伸長の申立てをすることもできます。

最大の注意点①:空き家「だけ」の放棄はできない

相続放棄は相続財産の全部について行うものです。「処分に困る空き家は放棄して、預貯金は受け取る」という一部放棄はできません。放棄すれば、プラスの財産(現金・有価証券・他の不動産など)もすべて受け取れなくなります。

そのため相続放棄が合理的なのは、基本的に「負債のほうが明らかに多い」「プラスの財産がほとんどなく、空き家の処分負担だけが重い」といったケースです。空き家に資産価値が少しでもあるなら、放棄より売却・処分の5つの方法を先に検討するほうが得になることが多いでしょう。

最大の注意点②:放棄しても「保存義務」が残るケースがある

「放棄すれば空き家と一切関係なくなる」と思われがちですが、これは誤りです。2023年4月1日施行の改正民法940条により、放棄の時にその財産を「現に占有」していた人には、引き渡しまでの保存義務が残ります。

たとえば「親と同居していた家を相続放棄した」場合、あなたは放棄の時にその家を現に占有しているため、次順位の相続人または相続財産清算人に引き渡すまで保存義務が残ります。相続人全員が放棄した場合は、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てる必要があり、予納金(事案により幅があり、数十万円かかることも)の負担が生じるのが一般的です。

つまり「放棄=タダで全部終わり」ではなく、占有していた人にとっては時間もお金もかかる出口になり得るのです。

放棄の前に検討したい3つの選択肢

📖 運営者の実体験:相続放棄せず、売れない実家を処分できた全記録【体験談】

「売れないと思い込んでいるだけ」のことも

  • 専門業者の買取:老朽化・残置物あり・訳あり物件でも現状のまま買い取る業者がある。仲介と買取の違いを参照
  • 3,000万円特別控除を使った売却:相続した空き家なら要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円控除(2027年12月31日までの譲渡)
  • 空き家バンク・国庫帰属など:売却以外の出口もある(関連記事参照)

なお、相続放棄をしない場合は相続登記(2024年4月から義務化)を忘れずに。取得を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります。

Q&A

Q. 3か月を過ぎてしまったら、もう放棄できませんか?

原則として3か月の熟慮期間を過ぎると単純承認したものとみなされます。ただし期間内であれば家庭裁判所への期間伸長の申立てが可能です。借金の存在を後から知ったケースなど例外的に認められる場合もあるため、期限が迫っている・過ぎてしまった場合は早急に弁護士・司法書士に相談してください。

Q. 相続放棄したら、固定資産税の請求も来なくなりますか?

有効に放棄が受理されれば、その後の年度の固定資産税の納税義務者にはなりません。ただし放棄の時に空き家を現に占有していた場合、引き渡しまでの保存義務(管理責任)は別途残り得る点に注意してください。倒壊などで第三者に損害が及べば責任を問われるおそれがあります。

Q. 放棄と売却、どちらが得かはどう判断すればいいですか?

目安は「プラスの財産の合計 − 負債 − 空き家の処分コスト」がプラスかどうかです。空き家に値が付くかどうかは自分で判断せず、複数の買取業者の無料査定で確かめるのが確実です。査定の結果「値が付かない」と分かってから放棄を検討しても、3か月以内なら間に合います(判断に迷う場合は税理士・弁護士へ)。

まとめ:放棄は「最後の手段」。まず空き家の値打ちを確かめる

まとめ:押さえるポイント①相続登記は2024年から義務化②2027年3月31日が一律の期限③空き家は早期の処分が有利④相続放棄は慎重に判断

相続放棄は原則3か月以内・家庭裁判所への申述・一部放棄は不可、そして現に占有していれば放棄後も保存義務が残る——この4点を押さえてください。負債が明らかに多いなら放棄が有力ですが、空き家に少しでも資産価値があるなら、売却したほうが手元にお金が残る可能性があります。

まずは財産調査と並行して空き家の査定を取り、「放棄か、売却か」を数字で比較することをおすすめします。